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"Modesty, Fairness, and Grace" by TAKARAZUKA REVUE

いいですか?ここが変だよ宙組ハイロー

散々「ぶち上がった」宙組公演。
存分に楽しんだくせに今更言うのはアレなんだけど、ハイローの世界観と出演者の熱演によってかき消された感がある「そこは変じゃない?」って場面とか台詞が所々あったのも事実。
大体のことは観てるうちに「ハイローだからまぁいっか」とか「出演者が素晴らしいからまぁいっか」とかってなったけど、最後までどうしても「?」ってなってたことを一つだけ、もう公演終わったことだし、こっそり白状してもいいでしょうか。


ラスト、床屋PUMA。


生前のカナちゃんが、一緒に行った無名街の闇市で買ったボイスレコーダーに、コブラへのメッセージを残していた。
は、感動なんだけど、その台詞がどうにもこうにも全体的に「軽い」と言うか「薄っぺらい」と言うか…。特に最後まで聞くたびに「え〜」ってなってたのが「私がいなくなった後の山王の街がどうなっていくのか、君の中に生きる私に教え続けてね(うろ覚え)」って台詞。


「いや、カナ10代で引っ越して久しぶりに戻って来たんじゃねぇの?」ってツッコミは、コブラちゃんがアーケードで「俺とお前の街」って言ってるから良いとして。


去った者との美しい思い出が、残された方の心の中にいつまでも大切な存在として残っていることは当然あるんだけど、この世から去る方が、残された方の心の中に居座る(言い方)前提でメッセージを発するっておかしくない?
「君の中に生きる私に教え続けてね」って、なんか怖くない?
めっちゃコブラ束縛するじゃんってなる。しかも死んでも束縛し続けるんかい!って。


カナは、自分が余命がわずかだからこそ、そしてコブラの自分に対する気持ちにもきっと気付いていたからこそ、ギリギリのギリギリまで「好き」と言う正直な想いは告げず、本当は辛かったり(身体的に)しんどい時にも、コブラには笑顔しか見せない、そう言う健気な子なんですよ。
「大好きなコブラが、将来、幸せになりますように」
カナちゃんなら、こう願うはずだと思うんですよ。
忘れることはできないだろうけど、でも私のことは早く忘れて(気にせず)素敵な人と出会い、素敵な恋愛をして、幸せになってほしい、って。
それなのになんだよ「教え続けてね」って。
実は毎回ここで「興醒めだ!」ってなってました。


ちなみにその後の真風さんが銀橋で歌う歌の歌詞も変。
真風さんの歌唱が素晴らしいから、だんだん「良い曲なのかもしれない?」って思わされてたけど、冷静に聞けばやっぱり変。変って言うか、なんか小学生の作文みたい。


宙組ハイローは原作の前日譚ってことで「コブラがなぜ無口になったのか」の理由である悲しいエピソードが物語の軸だったわけなのですが。
劇中、カナは事あるごとに「君は黙ってる方が素敵だよ」って言うんです。しつこいくらい何度も。なので観客は「ああ、それでコブラは無口になるんだね」って嫌でも気付くわけなんだけど、それを、最後に念押しするかのように「コブラ本人に」説明させるのが謎。
初日に観た時「あ、それ、自分で言っちゃうんだ…」って心の中で冷静につっこんでた。
そこはナレーターであるすっしぃさんに語っていただいたら良かったんじゃないの?
あとその後の「もう誰かを失うのはゴメンだ!」って台詞も不思議だった。
カナちゃんは再会時から余命幾ばくもないことはわかっていたんだし、コブラのせいで死んじゃったわけでもないし、これ以上誰を失うのがゴメンだと言ってるのだろう?

 

わぁ!ごめんなさい!
一つだけって言ってたのに次から次へと…

 

何度も言うけど、ものすごぉーく楽しかったんです。楽しかったんだけど、いや、楽しかったからこそ悪目立ち?してるように感じて気になり続けてた。
おそらく野◯先生の感性が自分に合わないだけなんだろうなと思う(諦)。

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