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"Modesty, Fairness, and Grace" by TAKARAZUKA REVUE

花組公演『うたかたの恋』『ENCHANTEMEN ー華麗なる香水ー』

約一カ月ぶりの宝塚大劇場に。2023年の大劇場始め。本公演と本公演の間に宙組さんの公演(遠征)挟むと、随分久しぶりに来た感覚があります(本当は、バウだけどこってぃの『夢現の先に』が宝塚での観劇始めになる予定だったのですが中止に…これは、嘆いても仕方がないことなので…涙)。

花組さんの『うたかたの恋』『ENCHANTEMEN ー華麗なる香水ー』を観劇。

 

うたかたの恋

柚香さんの美しいビジュアル、儚そうな雰囲気がルドルフがぴったり。マリーにすがるルドルフの横顔、サラッと流れた前髪が顔にかかってる様が美しくて美しくて!柚香さんの演技は、とても繊細な表情の変化が魅力だと私は思っているのだけど、皇太子の苦悩、哀しさ、虚しさみたいなものが見てるこっちにも伝わってきてちょっとグッときた。

また、マリー演じるまどかちゃんが「幼女」ではなく「大人になる前の少女」の雰囲気を漂わせていたから、うたかたでよく聞く「ルドルフ…それってロリ…」って気持ちをあまり抱かずに悲恋として物語に没頭できました。

 


…それにしても、かれーちゃんって相手役さんに対して超スイートと言うか、めっちゃくちゃ甘い甘い雰囲気で接するから(そしてかれーちゃんのビジュアルのせいか、それがとっても官能的)毎回観てるこっちが(勝手に)照れちゃうんだけど、マイヤーリンクの寝室でマリーに寄りそうフランツの甘いこと甘いこと!本当に愛おしく思っているんだろうな、って思いながら今回も(勝手に)照れてました。

 


個人的には、あとはフランツ・ヨーゼフ演じる峰果とわさんと、エリザベートの華雅りりかさんの存在が印象に残ってます。フランツの有無を言わせぬ皇帝感。執務室の双頭の鷲の見事なセットも相まって威圧感が凄かったです。エリザベートは、慈悲深い、深くて大きな包容力と、ルドルフへの愛、「割り切った」フランツとの関係まで垣間見えて素敵だった。

 


『ENCHANTEMEN ー華麗なる香水ー』


最初に謝っておきます。本当にごめんなさい。すみません。私、この先生とどうにも合わないのです。好きな方が多いのも理解してますし、初めて宝塚を観劇した方は楽しめるんだろうなって思う豪華絢爛さはわかるのですが、生徒の素質や魅力より「僕がやりたいこと」を優先してる感じがして…見れば見るほどモヤモヤしてくるのです。以下、辛口意見だらけなので「こういう人もいるんだな」って感じで受け止めていただけたらと思います。

 


まず緞帳が開いた時点で思いっきり既視感が。フォントが違うだけで色調もセットもあの作品と同じに見える…と、あとで確認してみたら、タイトル前に使ってるレースの紗幕はやっぱりデリシューと完全に同じでした。

先生のこういうところが、まず理解できないんです。客に「前と一緒やん」って思われたら嫌じゃないのでしょうか?「客席の大半の人はデリシュー観てないだろ」って思ってるのかな?だとしてもどうかと思うんです。(ちなみに今回のショーって、副題も発表当初にめっちゃ既視感あるな?と思ってたんですけど、これもデリシューですね。)

素朴な疑問なのですが、企画会議とかの段階で「先生、これ前回とほぼ同じですが良いんですか?」とか言う関係者はいないのでしょうか。演出家というのはそんなに偉いのでしょうか。

 


冒頭は、いつもとちょっと違ってましたね。ちっちゃいブランコに乗ったかれーちゃんが上から降りてくると思ったら、セリで下から上がってきました。舞台中央の香水瓶に模したセットの中に浮かび上がってくるイメージ?でしょうか。それは良いのだけど…浮かび上がるから?って「ブクブクブク…」って音はどうなの。耳を疑った。海中?水槽?香水ってそんなイメージだっけ?

 


「その名は…」で暗転→「◯◯(ショーのタイトル)!」でチョンパ!もありましたね。うん、そうだと思った。冒頭はちょっと歌詞(台詞?)が違ってたかもだけど、あとの場面で「その名は…ENCHANTEMEN!」ってマイティ?ひとこちゃん?も言ってた気がする。お衣装は当然のようにシルクハットにケーン。そうだと思った。あと羽根扇も。いっつもプロローグあたりで羽根扇が登場して(今回は他の場面でも登場してましたよね)、パレードでも登場…舞台セットにお金かけすぎて、シャンシャンまで手が回らないんじゃないかと疑う。

舞台セットと言えば、ジャコウジカ(リアル絵)のでっっっっかい頭のセット、面白かったですね。ムスクの場面なのかな?まさかの原料(の頭)をドーンとセットにするとは!(香嚢のある位置を考えると苦笑いなのですけど)

 


そして男役の女装(複数回、大勢)も想像通り。羽根扇持った白いダルマの子達も男役さんですよね?と思ったら希波らいと君もダルマだった。あすかちゃんも女装。いや、あすかちゃんってお顔がとっても美しいので、女装したら大変美しいだろうことはわかるんですが…如何せん大きい方なので…一緒に踊るマイティが小さく見えると言うか、あまり素敵に見えない…目立つから娘役さんを使いたくなかった?それもどうかと思うけどそれにしてもどうにかならなかったの?と思わなくもないです。

 


歌詞も曲も「なんか聴いたことあるそれ」って何度も思った。「〜してあげる」に関しては、大劇場デビュー作『THE ENTERTAINER!』の頃からかと思いきや、先日スカステで放送してた『A-EN』であーさも「ギュッてしてあげる」って歌ってました。若い子には響くんでしょうか?大人になりすぎたのでしょうか、私は全然ときめかないし、むしろ聞いていて恥ずかしくなるフレーズ。

 


全体を通して、花組さんも素敵な方がたくさんいらっしゃるのに、なんだかチグハグな感じがして…「あの場面のあの方がとってもかっこよかった!」って印象が全然ない。二階席で観たからかなぁ(悲)。私は花組さんでは特にひとこちゃんが好きなのですが…ひとこちゃんが中心のマリンテイストな場面(香水?)…、素敵…ですか?オールを使ったリフトは凄かったんですが、お衣装とか…特にあの場面の星空美咲ちゃんなんて、可愛いですか?下級生で童顔な彼女は、エレガントな雰囲気の方が素敵だと思うんだけど…。

 


ちなみに今回はお客様参加型演出ということで、扇を使って客席も踊りましょう!ってことだったんですけど、まず「香水なのに扇!?」ってなりました。そして、実際観劇してみると…まず扇が大きすぎません?私の両隣の方々、かなり気を使いながら踊ってらっしゃるのが気配でわかるんですが、それでも左右から風が吹いてきて笑っちゃいました。あの大きさで、あの振付。隣席の迷惑にならないように踊るのはかなり難しくないですか?しかもなぜ扇(2回目)?開閉するのにシャカシャカ聞こえるし、みなさん「迷惑にならないように!」と小さく踊ってらっしゃるから、なんかシュールだった。舞台上の花組生からはどう見えるんだろう。

どうしても持ち物を導入したいのなら、せっかくテーマが香水なんだから、香水瓶とかそれを模したペンライトとかの方が、見た目も綺麗だし舞台からもキラキラして見えて、素敵だったと思うんだけどなぁ。客も踊りやすいだろうし。

 


最初に書いたように生徒のことより「僕がやりたいこと」を優先して好き勝手やってる感がビシビシ伝わってきて、ショー作品を見るたびに、先生は宝塚歌劇に興味がないのかなぁって思ってしまいます。毎作品拝見してきて思うのは、驚きとか新鮮さがどんどんなくなっていく。そしていつも、なんか「そうじゃない」「そういうのが観たいんじゃない」って思うことが多いんです。その上、大劇場の座席に座っている観客(ファン)のことも考えてらっしゃらないのでしょうか、拍手入れにくかったりバカ高いペンライトなのに使うの一瞬だったり持ち物多すぎて大変だったり踊りにくかったり…

 


好きな方は本当にすみません、こんなに長々書くとは思っていなかったんですが、モヤモヤを一気に吐き出してしまいました。一意見として流してください。

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