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"Modesty, Fairness, and Grace" by TAKARAZUKA REVUE

宙組公演『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』

贔屓の退団公演である宙組大劇場公演がとうとう始まっちゃいました。

 

贔屓だけじゃなく、なんと寿組長をはじめとする、7名もの生徒さんが卒業される大切な公演。…だからこそ、感想を、どう書けば良いのやら?と、初日観劇後は超困惑、頭が大混乱してました。

言葉が悪いですが「え?これ、所謂”トンチキ”作品では…」と感じたから。

でも、数回の観劇を終えて、少しずつ私なりに楽しみ方(楽しみ方?)がわかってきたので、今後さらにお芝居が深まってさらに楽しさも増してきて「退団にふさわしい素敵な作品だ!先生ゴメン!」って思いながら千秋楽を迎えられることを祈って(祈る?)、今の感想を綴ってみます。

 

今回はどうしても、いつもとは違うテンションで観てしまいますし、小池修一郎先生の久々のオリジナル作品!かつベースはかの有名な007!と言うことに異様に期待値が高すぎたのかもしれません。あとは、贔屓をガン見しすぎて、舞台全体の世界観を観ていなかったことも認めます。

終演後、抱えたモヤモヤを仲間とあーだこーだ語り合い、ニュースサイトに上がってきた舞台写真の数々には「…あら、やっぱり贔屓は素敵だわ」とニンマリしつつ、でもなんとなく腑に落ちないまま二度目以降は少し落ち着いて、時にオペラを外して深みのあるゴージャスな雰囲気も感じ…少し楽しくなってきた気がします(気がする?)。

が、気はするんだけど、敢えて言いたい!

 

なぜこの作品が一本物なの?

この気持ちだけはずっと持ち続けてしまうと思います。まず、かなりぶっちゃけちゃいますと、一本物じゃなくて良かったんじゃね?ってすごく思ってる。そしてなにより、やっぱり!ショーが!あって!ほしかった(大声)!!!小池大先生に二本立てのお芝居作品を書いていただくのが色んな意味で難しいのであれば、特別に「通常より少し長い一幕&二幕は通常より少し長いフィナーレ」とかにしたら良かったんじゃないかしら?

プロローグはとってもかっこよくて「スーツ祭!!お祭りだ!!」ってなるんだけど、その後、オーシャンズで言うところのJACK POTとか、ネバセイで言うところのONE HEARTみたいな、気持ちが絶好調の絶好調に昂る場面がないのも辛い。

あと、タカラジェンヌさんがズラリと銀橋に並ぶ場面がない。なんなら、キキちゃんなんて二番手スターさんなのに、お芝居では全く銀橋渡らない(チラッと出てくる場面はあるけど)。渡るのは歌唱指導とパレードだけ!寂しすぎる!


歌詞が変

小池先生どうしちゃったの?ってずっと思ってた。ほとんどの楽曲が今一つ。なかでも歌詞が変と言うか、ダサい?詩情が感じられない。状況を説明しなきゃなんだろうけど、説明的すぎて…。極めつけが噂の「イルカの歌」。…あれは一体何?あの場面のあの会話までは良いとして、それを一曲にして歌っちゃうのが本当によくわからない(しかもあの歌詞)。そして「イルカの歌」に関しては、歌唱指導のキキちゃんまで歌っちゃう。先生は気に入っているのだろうか。だったらごめんなさい。よりにもよってなぜあの曲歌わせちゃったの?って毎回思ってる。ものすごく綺麗な歌声と見事な歌唱で歌い上げるのに、あんな歌詞…("あんな"って言っちゃった)。


衣装、変じゃないです?

スーツは文句ない。めっちゃ素敵。悪役ル・シッフルさんのお衣装もとっても素敵。でもそれは前提条件です。素敵じゃないと困る。問題はそれ以外。あのモザイクみたいな柄の茶色のブルゾン?は一体?スーツ姿は超素敵なボンドさんだけど、私服はダサいって言う残念ギャップ設定なのだろうか?

あとロマノフ家のご令嬢三名のお衣装が安っぽいミニワンピースなのが残念。品のないギャルにしか見えなくて悲しい…なぜ普通に綺麗なドレスやクラシカルなワンピースにしなかったのか…。お母さま役のおさよは上品で素敵だったのに。あと潤花ちゃんは、ヘアスタイルがずっと一緒なのも残念。あれもギャルっぽいし、乱れてる時もあるし。戴冠式まであの髪型で出てきたのにはちょっとだけびっくりした。後の展開を考えたら致し方ない?のかなぁ?でもなぁ…もっと素敵になるはずなのに、もったいないなぁ。


すごく素敵なんだけど、フィナーレ

好きな先生の一人ですし、色っぽくてとってもかっこいいんですが…今回、またKAORIalive先生が担当されたのは、裏目に出たのでは?と思ってしまいました。宙組ファンが歓喜の声を上げたあの衝撃のフィナーレ(異ルネフィナーレ)とそっくりなんですよね…。最後なんだから、やっぱり「伝統的な宝塚男役の姿」を観たかったなぁ。シンプル黒燕尾&羽山先生の振付が良かった。


本当にごめんなさい、あれこれ愚痴っちゃいました。

 

楽しくなってきたし、出演者の皆さん本当に、とっても素敵なんです。ボンドさんなんて、今の真風さんだからこそ演じられるお役だと断言できる。あんな男役さん、他にはいらっしゃらない。なのですが…敢えて今も晴らさないモヤモヤを綴ってみちゃいました。

長いフィナーレかショーがあれば全部解決する気がするけど、もう、こればっかりはどうにもなりませんので、大切な公演ですし、今後は「とにかく楽しむこと」に全力を注ぎたいと思います!

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