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"Modesty, Fairness, and Grace" by TAKARAZUKA REVUE

雪組公演『Lilacの夢路 ードロイゼン家の誇りー』

つっこみどころがないわけではないけれど、ハッピーエンドで楽しめました。謝先生の演出、振付は素敵ですよね。宝塚としては前衛的な世界観で。お衣装も素敵だったです。(ただ、脚本のある作品を演出、振付担当される方が好きかなって感じたりはする)

咲ちゃん、相手役が夢白あやちゃんになったことで、少し雰囲気が変わったなぁって感じます。きわちゃんとは昔からの「同志」って感じで、いい意味で気を使わずそれぞれが作品に没頭してた感がありますが、学年の離れた相手役さんを迎えたことで、お兄さん感が出てきたと言うか、余裕が出てきたと言うか。結構サバサバしていてはっきりモノを言うタイプの夢白ちゃんと、案外気が合うのでしょうか。スカステで、トークしてる様子も楽しそうだなって思いました。
そんな咲ちゃんに、ハインドリヒが合ってた。育ちの良いぼっちゃんで、まっすぐで、とにかく「これだ!」って思ったことに弟たちも迷いなく巻き込み引っ張っていくリーダータイプの人物。その強引さは普通に考えたら大丈夫か?って思わなくもないんだけど、憎めないし、頼りなく感じない。


夢白あやちゃんは、とにかく「こんなに可愛かったっけ?」ってくらい可愛い。
宙組時代は美人で大人の雰囲気で、ちょっと影のある役なんかが似合うなぁって印象だったけど、こんなに可憐でキラキラした可愛らしい娘役さんだったとは!ってビックリしてます。楽しそうでこっちまで幸せ気分になっちゃいます。
エリーゼは結局、あっさり奏者としての夢は捨てちゃったのでしょうか?
でも常に前向きでひたむきで、笑顔が輝いてる女性。そんなエリーゼにハインドリヒが惹かれ、「これは恋!」と確信していくところがもう少し描かれていてほしかったな…とは思ったりします。告白が、あまりにも唐突すぎじゃなかったですか?


あーさ、役柄も相まってなのか、なんだか、ちょっと、貫禄と言うか?落ち着いた大人な魅力が増した気がしました。兄への思い、自分の叶わぬ恋で一番複雑に心が揺れ動くお役だったと思うのだけど、それが痛いほど伝わってきた。
ディートリンデに「お別れだ」って言うワンシーン、めっちゃくちゃ素敵だったな…。

 

そらちゃんは、安定感安心感が抜群。いつもいい意味で力が抜けた、どんなお役でもサラッとこなす「余裕」な雰囲気だけど、今回も、弟でありお兄ちゃんでもある立ち位置や、大尉として慕われる人物像を自然に生きてらっしゃった。上二人よりも一番冷静で、物事を客観視してる感じ。だけど温厚で争うことはしない…うちは三姉妹なんだけど、三女もこういうとこあるわぁって思ったりした。
ちなみに、レビュー本2022では「まだあまり喋ったことがない」みたいなことをおっしゃっていた縣くんと、ちょいちょい接してるのを見てニヤニヤしちゃいました。


咲ちゃん、あーさ、そらちゃん。
お芝居、ショー共に割とこの三人が言い方が悪いけど「セット売り」されている印象なんだけど、確かに、ものすごくバランスが良いですよね。それぞれ違う魅力があって、お互いの弱いところは補いつつ良いところを引き出してる感じ。組替えしてきたそらちゃんが二人と馴染んできて、すごくいい感じになったなぁって感じます。ナウオンとかでも、三人、楽しそうですしね。

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